こちらの患者様は、根の病変により隣の歯にも影響が及び、骨の吸収が進んでいました。通常であれば抜歯後にブリッジやインプラントが必要な状態でしたが、健康な親知らずを活用し、移植治療を行うことで歯を残すことができました。
今回は、この治療の経過について詳しくご紹介します。
症例写真
初診時



根の病変にて隣の歯まで影響を及ぼす骨の吸収が見られました。
移植治療
残念ながら、この時点で歯の保存は難しい状態でした。
通常であれば、抜歯後の選択肢として
1. 両隣の歯を削ってブリッジ治療
2. 両隣の歯にバネをかけて部分入れ歯治療
3. インプラント治療
の3つが考えられます。
しかし、健康な親知らずが残っていたため、移植治療を行うことでこれらの治療を回避しました。



移植後

移植後は根の治療を行い、最終的に被せ物を装着して治療が完了しました。
移植治療から約3ヶ月後に被せ物を装着しました。
まだ骨の回復途中ではありますが、今後、さらに治癒が進むと考えられます。
治療前後


詳細情報
年齢・性別 | 30代・女性 |
治療内容 | 親知らずの抜歯、歯の移植、根管治療 |
治療費用 | ・親知らずの抜歯、歯の移植、根管治療 約15,000円(保険診療3割負担額) ・ファイバーコア16,500円(税込) ・ジルコニアクラウン(臼歯)65,000円(税込) |
リスク・副作用 | 移植した歯が定着しないことがありますが、適切な歯を選び、しっかり固定すれば、成功率は高まります。 手術後に痛みや腫れが出ることがありますが、適切なケアを行えば、数日で落ち着くことがほとんどです。 |
監修者情報

副院長 佐久間 俊光
経歴
- 2015年 北海道医療大学歯学部卒業
- 2015-2016年 恵佑会札幌病院歯科口腔外科研修医
- 2016-2020年 北海道大学歯学部大学院冠橋義歯補綴学教室(歯学博士)
- 2020-2022年 三好プリベント歯科勤務
- 2022-2023年 テキサス大学ヒューストン校(アメリカ)歯周病インプラント科留学